窓際に並べられたクリスマスカードは
もう整然とはしていない
ドミノのように倒れたまま
いつの間にか部屋の風景になじむ
そのうちの一枚を手に取る
二週間ほどのうちに
すっかりしみこんだ楽しい気分を惜しむように
また一枚また一枚と手にとっては
カードを眺める
そしてそれを順番に重ねて
丁寧に分厚い束にする
窓際はクリスマスの暖かさを失い
居心地悪く
殺風景になる
ふっと息を吹きかけると
ほこりが舞い上がる
窓を大きく開けて
外の空気をさっと送り込む
その冷たさにはっと息をのむ
そしてはじかれたように急いで
次の窓も
その次の窓も
全部開け放つ
階段を駆け下りて
寝室にも
子供部屋にも
風を入れる
大きく息をしながら立ち止まり
手の中のクリスマスカードの束に気づく
すっかり寒くなった部屋で
それをどさりと
ゴミ箱に放り込む
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