Friday, 28 January 2011

一月の風

窓際に並べられたクリスマスカードは
もう整然とはしていない
ドミノのように倒れたまま
いつの間にか部屋の風景になじむ

そのうちの一枚を手に取る
二週間ほどのうちに
すっかりしみこんだ楽しい気分を惜しむように
また一枚また一枚と手にとっては
カードを眺める

そしてそれを順番に重ねて
丁寧に分厚い束にする

窓際はクリスマスの暖かさを失い
居心地悪く
殺風景になる
ふっと息を吹きかけると
ほこりが舞い上がる
窓を大きく開けて
外の空気をさっと送り込む

その冷たさにはっと息をのむ
そしてはじかれたように急いで
次の窓も
その次の窓も
全部開け放つ
階段を駆け下りて
寝室にも
子供部屋にも
風を入れる

大きく息をしながら立ち止まり
手の中のクリスマスカードの束に気づく

すっかり寒くなった部屋で
それをどさりと
ゴミ箱に放り込む

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