Wednesday, 13 February 2013



ごうごうとうなる音を
暖かい部屋で聞く
急に暗くなった空が
雹を思い切り
地面に叩きつける

玄関の防水コートを
わしづかみにし
長靴に足を突っ込んで
外にでる

固い冷たい雹が
次々に顔を強く打つ
そして痛さを感じた瞬間に
溶けて顔をべったりとぬらす

限られた視界の中で
風の方向に足を向ける
頬にへばりつく髪を払いのけながら
しっかりと地面を踏む私の足には
もうどこからか力が降りてきている

右と左と確かめるように動かしながら
一歩一歩地面に足を植え付け
進む
濡れたあごをぐっと上に向ける

頬の冷たい痛みは
少し心を引き立てる
指の先まで
皮膚の表面まで
血が流れる
心臓がどくんどくんと
リズムよく脈を刻みはじめる

威勢のいい小刻みな音が
少しでも長く続くようにと
息を止めて祈る


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