突然に大きな音を立てて
雨が打ちつける
ぱちぱちとはじけながら
雹が降る
部屋の中から
後を追うような
ごうごうという風を聞く
どれだけ多くの水が
川を流れるだろう
水かさの増した川は橋を失い
人家を水浸しにするだろう
時には激しく
時には静かに執拗に
雨はもう何日も降り続いている
ニュースでは
洪水になった町や
ボートで救助される人々を映す
温かく守られた家の中で
考える
この雨も
誰かの生活に浸水し
大切なものを腐られていくのか
家の前の道は
すでに小川のように流れ
あふれた排水口からは
泥水が噴き出す
もうじき
道を歩くことも危なくなるだろう
そんなことを考えながら
叩きつけるような屋根に降る
雨の音を聞きながら
それでもその傲慢さに
少し
心が動く
次の豪風は
屋根瓦を飛ばすだろうか
そしてそれは
表に停めた車に当たるだろうか
思いをめぐらせる
風雨の立てる虚勢に恐れ入りながら
私の心はピンの先のように
研ぎ澄まされていく
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