Saturday 5 December 2009

悪天候

突然に大きな音を立てて
雨が打ちつける
ぱちぱちとはじけながら
雹が降る

部屋の中から
後を追うような
ごうごうという風を聞く

どれだけ多くの水が
川を流れるだろう
水かさの増した川は橋を失い
人家を水浸しにするだろう

時には激しく
時には静かに執拗に
雨はもう何日も降り続いている
ニュースでは
洪水になった町や
ボートで救助される人々を映す
温かく守られた家の中で
考える
この雨も
誰かの生活に浸水し
大切なものを腐られていくのか

家の前の道は
すでに小川のように流れ
あふれた排水口からは
泥水が噴き出す
もうじき
道を歩くことも危なくなるだろう

そんなことを考えながら
叩きつけるような屋根に降る
雨の音を聞きながら
それでもその傲慢さに
少し
心が動く

次の豪風は
屋根瓦を飛ばすだろうか
そしてそれは
表に停めた車に当たるだろうか

思いをめぐらせる
風雨の立てる虚勢に恐れ入りながら
私の心はピンの先のように
研ぎ澄まされていく

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