Wednesday, 23 December 2009

午後6時、夏の海

まだ夕焼けには早い夏の海を
立ち去りかねて振り返る
砂浜にまばらに散らばるのは
海水浴客とサーファー
営業を終えて帰っていった
ライフガードのバンの跡

何が心を捉えるのかわからず
私は荷物を足元に下ろし
その場にしゃがみこむ
そして否応なく
この光景の証人となる

大きな絵に吸い込まれる
この場を去り
どこかに行く先が
ついさっきまであったはずだが

今はこの広い空間に
ぺっと
吐き出されたように
行き場をなくした旅人のように
たたずむ
日は傾いていく
潮は満ちていく
私は動けずに砂の上にうずくまる

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