Sunday 4 October 2009

9月


日陰を選びながら
アスファルトから湧き上がる熱の中を
30分歩いた
近づくごとに膨れる歓声を聞きながら
毎日のように通ったプールは
もう閉めてしまった

調子に乗って何匹もセミを捕った
虫かごに入れたまま
それをベランダに放りっぱなし
昼ごはんを済ませると
もう全部死んでいた
朝セミの声で起こされることももうない

わたしの最後の夏休みはいつのことだったのか
そのときにはそれに気づかず
夏の日を無為に過ごしたのだろう
暑さにすっかりくたびれて
不用意にも
秋風を待ちわびたのだろう

ひとつ夏が去るごとに
自分が少しだけ褪せていくことに
気がつきもせず
その失われるものの意味もわからず
当然のごとく
季節を跨いでいったのだろうか

明日からはまた
子供たちの学校が始まる

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