Wednesday, 3 November 2010

50Kクロスカントリースキー

皆が滑り抜けて行ったあとをたどり
木立の中を行く
リズムを取って息をしながら
白い坂を上る

下りではカーブに向かう
体重を移動させ
スキーを踏みしめるようにして
曲がりきる

白い静寂の向こうから
遠くの歓声が聞こえてくる
どこかの国の旗が振られている
先頭がゴールして
もうどれくらい経つのだろうか
それでも観衆は
まだレースを見守っている
最後の選手が戻ってくるまで
手に握ったカラフルな旗を振り
ベルを鳴らして
声を上げる

あと500メートル
重い足を一歩ずつ持ち上げ
雪に突き刺したスティックに体重をかけ
ゴールに向かう

肺はパンク寸前
心臓を極限まで打たせながら
最後のスキーヤーは
フィニッシュラインを切る
顔をぐちゃぐちゃにして
両手を挙げて
レースを終える

雪の中に倒れこみながら
50キロ前を思い出している
カウベルはなり続く
白い風景がカラフルに変わる

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