Thursday 14 October 2010

ハロウィーン

手をつなぐには大きくなりすぎて
でも一人で行くには小さすぎる
兄と妹は
並んで家を出る

手には懐中電灯と
お菓子を入れるかごを下げ
ドラキュラのコートと
おどろおどろしい入れ歯をつけ
初めて二人だけで
暗がりの中を出かける

「車に気をつけて」に
生返事を返し
近所の家まで
話をしながら消えていく
兄は前を見ながら
妹は私を振り返りながら
ハロウィーンの闇の中に
吸い込まれていく

10分後には私は時計をみあげるだろう
そのあと1分ごとに時間を気にしては
窓から外を見るだろう

子供たちは早足で帰ってくる
寒さで頬を赤くし
冷たい手に提げた戦勝品を振り回し
誇らしげに大きく足音を響かせて
このドライブにもどってくるだろう

No comments:

Post a Comment