Wednesday 14 March 2012

早春

薄暗い2月の朝
草原に光が射す
重ねた靴下の上に
ゴム長をはき
固く霜の下りた草の上をさくさくと歩く
下を向いて目を凝らし
唇を結んで
気難しそうに進む
固く突き出した水仙の芽を避けながら
一歩ずつしっかりと
足を踏み出す

りんごの枯れた枝を
ぽきりと手折れば
瑞々しい黄緑が
息を吹き返す
この小さい硬い木の芽にも
命が刻々と
きざまれているのだろう

明日からは
また冷え込むとの予報
風が吹き
小雪がちらつく

そうやって世界はきちりと廻り続け
激寒の中を
春は圧倒的な力で
足をはやめる


 
詩・ポエム ブログランキングへ

よろしければこちらのボタンのクリックいただけると嬉しいです。

No comments:

Post a Comment